「見て、あの黒い鳥たち、鶏みたいにつついてるのに泳げるんだよ！」と、若い女性が驚きの声をあげながら、沼地で餌をついばんでいる黒い鳥の群れを指さしました。

「これって鶏なの？」と彼女は私ともう一人の男性に尋ねました。私たち三人は偶然同じ木道にいて、12月3日の午後、浦東新区の湿地公園で野生動物を観察していました。

「絶対にアヒルじゃないよ！」と私は彼女に断言しました。彼らには水かきのある足はなく、赤い嘴に黄色の先端がついていて、アヒルのくちばしとはまったく違います。ただ、それ以上はわかりませんでした。泳げる特別な種類の鶏かどうかは確信が持てなかったのです。

「それらは黒水鶏と呼ばれています」と私の隣の人は付け加えたが、彼はそれらが鶏であるかどうかも分からない。

しかし、斜陽に輝く沼の静かな美しさに浸っていると、歩いたり泳いだり飛んだりする多才な黒鳥を定義することはできませんでした。

私とその人が沼地の中をもっと遠くまで歩いていると、彼は私に言った。「私はここに何度も来たことがある。私はこの葦がたくさんある原始的な場所が好きで、特に日没の光を反射しているとき」。

この肖という男は引退した中国文学教師で、『詩経』に精通している。これは中国最古の詩集で、紀元前11世紀から紀元前6世紀までの300余首の詩からなる。数年前に退職する前に、彼はある大学でこの傑作を教えたことがある。

詩的な風景

「『詩経』において葦はロマンチックなイメージです」と、現在68歳のシャオさんは言った。「ここに広がる素朴な風景は、あの古代の詩と見事に響き合っています。」

私たちが葦やその他の抽水植物が豊富な湿地をゆっくり歩いていると、シャオさんは『詩経』の一節を朗読し始めた。

「蒹葭苍苍，白露为霜。

所谓伊人，在水一方。

溯洄从之，道阻且长。

溯游从之，宛在水中央。」

「葦やヨシは深い緑色、

白露は霜となる。

私の思うあの人は、

水のほとりのどこかにいる。

私はその人を求めて上流へ遡るが、

道は困難で長い。

私はその人を求めて下流へ下ると、

ああ！その人は水の真ん中にいる。」

（ジェームズ・レッジ訳、1815-1897年）

浦东の41.8ヘクタールの金海湿地公園の葦原は、退職教師の詩人の心を動かしました。そして彼の頭に浮かんだのは『詩経』だけではありませんでした。彼は葦原の別の隅に静かに横たわる空の舟の写真を撮り、唐代（西暦618年〜907年）の詩からの一節を添えました。その詩は次のように訳すことができます：

「ワイルドなフェリーには、誰もいない。船は自分で横流ししている」

「誰もいない」というのは確かにその通りで、多くの葦の島が点在する湿地は水鳥だけがアクセスできる場所です。

後でオンラインで調べてわかったのですが、チキンのようにつつくけれど泳ぐ「変な」生き物は、チキンではなく、バン（Gallinula chloropus）という水鳥の一種でした。中国語では便利にも黒水鶏（ヘイシュイジ）と呼ばれています。退職した先生は少なくとも中国語名は正しく言っていました。

バンや他の特定の水鳥の存在は、人がほとんど入れない豊かな植生の湿地の魅力を物語っています。先週の水曜日にも、カイツブリ（Tachybaptus ruficollis）が湿地を素早く横切ったり潜ったりするのを目撃しました。

金海湿地公園は、かつてはシャオさんのような人々にとって詩的な場所でもなく、水鳥たちの実用的な避難所でもありませんでした。もともとは、1995年に建設が始まった上海の外環状道路周辺の全長98キロメートルの森林帯の一部でした。2007年に始まった長年の再建を経て、2016年にようやく公園となりましたが、2022年以前は水鳥にとって理想的な生息地ではありませんでした。

2022年7月に公園のさらなる改良が始まりました。同年末の開園時には、より多くの抽水植物が追加され、水鳥を惹きつけるためにいくつかの浅い石の浜辺が作られました。先週の水曜日に遠くから見た葦の島々も、この湿地公園の地形再構築の一環です。

もし2007年から始まった改修の第一段階が、かつて立ち入りが困難だった森林を主に人々が訪れる公園へと変えたなら、2022年夏から始まった第二段階は、すべての生き物が共存できる環境を作り出しました。

上海のやり方

金海湿地公園の変化は生き生きとした例であり、過去30年間、上海がどのように外環路周辺の単一機能林帯を一連の人と野生動物の多機能生態公園に変えたのかを説明している。

10月、環城生態公園は今年の世界持続可能な灯台イニシアティブの知識共有計画の下で最も良い例の一つに選ばれた。この計画は国連居住署、教科文組織、環境署、国際地理連合会などの組織の専門家、中国、米国、ドイツ、韓国、シンガポールを含むいくつかの大学が共同で開始した。

有名な都市発展専門家の朱大建氏は10月の微信（WeChat）公式アカウントで発表した記事で、ロンドンは（現代の歴史上）都市の蔓延を防ぐために緑地を保護しながら緑地帯を作った最初の都市だと述べた。

彼は、20世紀初頭、つまり都市化の初期段階で、緑化帯の建設が始まったとき、ロンドンには比較的十分なスペースがあったと説明した。一方、上海は、都市が持続的な都市化の過程で、空間が限られているにもかかわらず、人や野生動物のために緑地を拡大し続けることができるモデルを樹立した。

朱氏はまた、上海の緑化帯の発展を東京と比較した。彼は、日本の首都の環状緑化帯は最終的に拡大している建設現場に取って代わられ、上海の緑化帯はすでに生態公園に広がっており、これらの公園は外環状路の両側の人々を結びつけるとともに、野生動物に理想的な生息地を提供していると指摘した。

バードウォッチングの楽しみ

金海湿地公園のヨシ沼のほとりには桶型の小屋があり、そこから遠くに鳥を観察することができる。退職教師の肖さんがカメラの位置を調整して鳥や葦を撮影していた時、私はこのユニークな木造家屋の内壁を見回して、鳥を見る人が撮影した北紅尾駆（Daurian Redstart、またはPhoenicurus auroreus）の写真を見た。

「私はこの鳥を知っています」と肖さんに言って、私の発見に注意するように注意しました。「これは小さなスズメ目の鳥で、鮮やかな羽とゆったりとした歌声で知られています。通常は北部の温帯地域で繁殖しますが、冬には南へ暖かい気候に移動することがよくあります」。

「どうして知ってるの？」肖は好奇心を持って尋ねた。

私は「11月29日、嘉定区綏徳公園の若いバードウォッチャーから北紅囲曲を知った」と答えた。「彼女は私に、この鳥の名前の「北」は中国語で「北方」を意味し、「紅尾渠」は「紅尾」を意味すると教えてくれた。”

「綏徳公園はいったいどこにあるのか」と彼は尋ねた。「私もそこに行きたい」と私は彼に言った。彼は地下鉄11号線に乗ることができる。私が過去数週間の実地調査で発見したように、この市外環状道路周辺の多くの生態公園は最寄りの地下鉄駅から最大3キロ歩くことができる。

11月29日、私が綏徳公園で出会った若い女性は、彼女は長年にわたって一心不乱に鳥を見る人だったと言った。彼女はカメラを開けて、その日公園で撮影した北赤尾蛇と銀喉頭のシジュウカラの写真を見せて、生息地を紹介してくれた。

彼女は28人の「公民科学者」の一人で、彼らは専門の観鳥者で、11月29日に綏徳公園と近くの蝶言語園を見学し、同市公共緑地開発センターの主宰の下で都市を囲む生態公園を含む鳥を観察した。

蝶言語園では、別の若いバードウォッチャーが、灰色の背に眉（Turdus hortulorum）を描いた渡り鳥もたくさん発見したと教えてくれた。

私は多くの鳥を見分けることができませんが、11月29日、私は綏徳公園と蝶言語園で鳥の合唱を聴くのが好きです。なぜなら、私は鳥を見る人についてカラフルな森を通り抜けて、その中には烏の木（Triadica sebifera）、銀杏の木（ginkgo biloba）、ガチョウの舌の木（Taxodium mucronatum）などがあります。

12月4日、同市公共緑地開発センターは11月29日に「公民科学者」が2つの公園で発見した鳥のリストを発表した。彼らは綏徳公園で26種類の鳥を発見し、蝶言語園で21種類の鳥を発見した。これらの鳥の多くはこの2つの場所に現れています。例えば、ダハール族のヒヨドリ、ギン喉頭のシジュウカラ、灰色の背に眉を描き、中国の羅漢果などです。

綏徳公園と蝶言語園は金海湿地公園と同様に、既存の外環林帯をもとに改造されている。

11月29日、私たちが綏徳公園で会った時、中年の男が私に「私は毎日ここに来て体を鍛えている」と言った。彼は別の中年男性に太極拳の練習方法を教えている。

彼は「家から公園までスクーターで15分しかかかりません」と言った。

そして、周りを見渡すと、老人が川辺広場で踊っていたり、若い家族が森の茂った公園のテントエリアで食事をしていたりするのも見えました。

少年は乗用おもちゃの車に座っていて、母親がその車を押しながら丘を登り、二人は背の高い木々に囲まれた曲がりくねった小道の頂上にたどり着いた。私はそこで立っていた。

母親はおもちゃの車をしばらく止めてから向きを変え、突然手を離した。子供は一人でおもちゃの車を操り、まるで自由落下する物体のように猛スピードで下り坂を進んだ。

「曲がりくねった小道で息子さんのおもちゃの車がひっくり返るのを怖くないんですか？」と私は驚いた声で母親に尋ねた。

「全然怖くないわ」と彼女は笑顔で安心させてくれた。「彼はこの場所に慣れているの。私たちはよくここに遊びに来るのよ。公園はほとんど家のすぐそばにあるの。」

好きな公園

プトウ地区に住んでいる83歳の名前のチェン氏も自宅の近くの生態公園を訪れています。彼は,雨が降るときを除く,隣接するBaoshan地区のFengxiang Zhixiuエコパークで毎日歩く習慣を作っています.

私は12月1日に彼に出会い、このエコパークから近くのプトウ地区へどう歩くのかを知らなかったので、別の公園が改修され拡張されています。

「道を教えてくれる」彼は広い笑顔で言った。 「しかし、2つの公園の間のゲートは現在閉鎖されています。

私は彼の指の指に従って,宝山区の既存の公園とプトゥオの建設中の公園を分離するゲートに向かいました.

「プトウの公園はすぐに完成するだろう」と、老人は私に言った。

彼は正しかった

プトウで建設中の新陽公園は,今年完成する10つの新しい生態公園の1つであり,市内の外環生態公園数は50に増加し,総面積は1,738ヘクタール.最終的に,上海の円形都市の生態公園は,外環路沿いに両方向に広がり,総面積287平方キロメートルをカバーします.

"Baoshanのこの公園の中で一番好きなのは何ですか?" 私は83歳の男に尋ねました 私たちは二人ともゆっくりと中国のウィングナッツとカンファーの木に囲まれた軽く照らされたジグザグの道を歩いていました そのほとんどは数十年の成長後に少なくとも30メートル高かった

彼は二つの簡単な中国語で答えた：shu duo（多くの木）。

この老人は安徽省の農村から来て、70代まで田んぼで耕作していた。彼の妻は3年前に亡くなり、上海に引っ越して2人の息子と一緒に住んでいた。彼らは一緒にレストランを経営していた。2023年に宝山生態公園が前外環林帯を改修して再オープンして以来、同公園の常連だった。

「あなたの故郷には木がたくさんあるはずです」と私は言った。

彼は「私たちは主に田んぼを持っている。ここには大きな木があちこちにある」と説明した。

実際、公式データによると、樹木は生態公園の83%の面積をカバーしている。2022年7月に改修が開始されると、労働者たちは周囲に曲がりくねった道を作ることで多くの樹木の完全性を維持している。場合によっては、除去され、発育不良または枯れた木を回収し、それらを用いて蛇行する木道を作ることがあります。

老人は歩くのが遅すぎて、私たちは1時間以上で32ヘクタールの公園の半分を歩き終えた。もし私が一人で歩いたら、私はもっと短い時間で公園全体をカバーします。

しかし、私は老人のようにゆっくり歩かなければならないので、私たちは有意義な会話をすることができて、私は時々立ち止まってできるだけ多くの植物を見ることができます。私はVallisneria natans、Potamogeton wrightii morong、Iris pseudacorusなどの水に浸かっている水生植物を見ました。これらの植物は公園の改修中に添加され、水を整理するのに役立ちました。水体はかつて富栄養化でウキクサに覆われていました。

老人が森を歩く習慣は、数年前にハーバード・メディシン・マガジンに掲載された記事を思い出させます。特にその見出しが印象的でした。「森の中を歩くことは精神衛生を高めるかもしれない：多くの医師が自然の中で過ごす時間を脳の癒しとして処方している」。

また、今年初めに北京を拠点とするメディア、光明日報に掲載された記事も思い出します。この記事は科学的研究を引用し、45歳から86歳までの人が森を歩くことで心拍数や血圧を下げるのに役立つことを示していました。記事はフランスの神経科学者ミシェル・ル・ヴァン・クィエンによる著書『Cerveau et nature: Pourquoi nous avons besoin de la beauté du monde（脳と自然：なぜ私たちは世界の美しさを必要とするのか）』の中国語版からの要約でした。

葉を描く

森林散歩は高齢者だけでなく、子どもたちにも良い影響を与えます。

「みんな、君たちはみんな才能ある画家だよ！」と、絵を描く準備をしている子どもたちに先生が言いました。

11月22日にチャンニング地区の6.25キロメートルの緑路でこのグループの生徒に偶然出会いました 彼らは、自然を教育に統合する専門の先生の助けで鳥を観察し、植物を識別することを学んだばかりでした。

長寧区の外環緑道は、2017年から数年にわたる改修を経て2020年に開通して以来、サイクリストやランナーの人気の道となっています。この地域はかつて、外来種のセイタカアワダチソウに「侵略」され、富栄養化に悩まされていました。現在では、65ヘクタールの緑道に多くの新しい樹木や植物が加えられ、アメリカリンゴ（Malus coronaria）、キバナレンギョウ（Forsythia intermedia Zabel）、タチヴァーベナ（Verbena bonariensis）などが植えられています。

近づいて生徒たちが何を描いているのか見てみると、みんながちょうど集めた落ち葉や果実の山を静物画の題材にしているのに驚きました。

なんて創造的な美術の授業でしょう！

今年は都市の外環森林帯の設立30周年です。市の公共緑空間開発センターは、記念イベントの一環として6〜12歳の子供たちを対象とした自然教育活動を組織しています。チャンニングの外環グリーンウェイで私が観察したクリエイティブアートクラスはその例です。

後の思考

過去数週間、私は、上海の円形都市のエコパークベルトが形成されている7つの地区のそれぞれの少なくとも1つのエコパークを探索しました。私が訪れたすべての公園を詳しく説明できないかもしれませんが、それらの公園は、人々が癒す自然と一緒に成長することを学ぶ成長する都市のオアシスとして私に印象を与えています。

上海は人口密度の高い都市ですが、それはコンクリートの森林に満ちたいという意味ではありません。外環のエコパークを散歩するほど,上海は庭園の都市になりつつあると感じます.