黄浦江と蘇州河は、上海の発展に重要な役割を果たしており、「母なる河」と呼ばれている。近年、上海市政府は「人民による都市、人民のための都市」という重要な理念を実践するため、黄浦江と蘇州河流域の再開発を加速し、水辺の公共空間の改修・整備を全面的に実施してきている。主要都市部では、黄浦江で45キロメートル、蘇州河で42キロメートルの沿線公共スペースが貫通・開放された。そこで、上海文化観光局は、「一江一河(黄浦江と蘇州河)」文化観光をテーマに、人々が沿線を共に建設・享受・治理する歴史を理解し、沿線の活力を体感できるイベントを実施している。
北側が黄浦江に面し、上海市浦東新区濱江大道1777号に位置する船廠1862は、祥生船廠の跡地として知られている。かつてこの辺りは造船所が点在しており、建造された大型貨物船を黄浦江に運ぶ時は、近くの埠頭を経由して運ばれて行った。現在、この旧造船所は「工業建築遺産」を保存する文化・商業複合施設に変貌した。
祥生船廠の建設は1862年に着工し、建設当初の業務は造船ではないが、次第に船の修理や建造に携わるようになった。建設後の同造船所は長年にわたって著しい発展を遂げ、1936年に60万平方メートル近い敷地面積、1500メートル以上の岸壁と、四つの大型ドックを誇る大規模な造船所にスケールアップされた。中華人民共和国成立後、上海船舶廠に編入された祥生船廠は、総合建設力が大幅に向上し、数々の国内記録を更新した。その後、造船所における開発が順次に進み、136万平方メートルの敷地面積を有する陸家嘴濱江金融城に一変したが、長い船台と黄浦江に最寄りの工場の建物は歴史的遺物として残されている。
かつての造船所
旧造船所の跡地は、浦東初期の造船業の実態をそのまま今に伝えており、特に大型船台や大スパン機械棟などの構造物は、旧時代を再現するもので、工場建築の実用的な性格を色濃く反映している。

2011年、造船所の再開発プロジェクトが始まり、設計チームは、造船所のオリジナル構造を最大限保存するために大いに工夫した。造船所のコンクリート梁、柱、屋根トラスおよびレンガ壁の一部をそのまま残しただけでなく、古い蒸気管を空調ダクトとして再生し、内部の錆びた廃棄鉄板も再利用して看板を作った。その甲斐あって今の造船所でも、昔の面影を残している。

6年間の設計・建設期間を経て、この古い造船所は名高い建築家の手によって、ファッション、アート、パフォーマンスなどの機能を統合した新しい商業施設に生まれ変わり、「船廠1862」と名付けられ、2018年の秋、正式に一般開放された。16,000平方メートルの商業スペースを誇る船廠1862は、アートデザインセンター、ギャラリー、ハイエンドのカスタマイズ、レストランなどの商業施設が導入されており、新たな価値創出に繋がる文化的中心地になった。さらに、船廠1862は上海の産業遺産改造の好例であり、また上海のトレンド復活を担う新しいランドマークとして注目を集めている。(翻译:罗静;审核:傅梦菊)

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